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行者還岳・七曜岳

山行日 2005年9月11日(日)
地域 大峰
標高 1546.2m
天候 曇り
コースタイム 大川口7:55--(関電ルート)--避難小屋10:10---行者還岳分岐10:38
---11:35七曜岳12:05---13:10行者還岳13:30---避難小屋13:55--
(小坪谷ルート)--16:10大川口

 下市町を車で南下していると道路情報で、川迫ダムの東約500メートル付近で土砂崩れのため通行止めとあった。橿原神宮駅前に集合した仲間12人は、車3台に分乗してすでに15分前にこちらに向けて出発してしまっている。「もし通行不可能なら、熊渡から尾根ルートで明星ケ岳にでも登ろう」と説得するつもりで車を走らせる。先週の台風の影響か?御手洗渓谷から先の道路は少し荒れているようだったが、川迫ダムを少し過ぎても通行止めは無い。そのまま進むと、なんと大川口に到着したではないか?車1台と、人が中で眠っているらしいテント1張りがあり。その傍らに車を停めて仲間を待った。

行く手に目指す行者還岳 気をつけて

 準備運動をしながら、大川口にかかる橋の横にある水位観測施設を見ると、軒下に大きなスズメバチの巣を発見。まもなく到着した仲間に注意を促す。急ぎ足でその橋を渡って今度は布引谷のつり橋を越えると登山道が始まる。先日チベットの山に登って帰ってきたというナカノオオエさんからお土産にと、民族衣装風のバンダナを今日の参加者全員に頂き、それを皆がお揃いで頭に巻く。デザインは同じでもそれぞれ柄が違っているので素敵だ。

 関電鉄塔ルートは急な登りから始まる。最初の鉄塔で休憩しようとその場所に到着したらなんと鉄塔が無い。川迫ダムから行者還岳小屋付近を越えて上北山村、そしてその向こうまで続く送電線、そしてを支える鉄塔は全部撤去されていた。

小屋と山頂 チベット土産のバンダナ

 車道同様、登山道も荒れていて倒木が多い。少々危険な箇所もあって、何度か滑りやすい急斜面に注意してトラバースすれば、ミカエリソウの咲く尾根への登りだ。尾根に出て苔むした大きな岩がゴロゴロした道を進むと、左手上に行者還岳小屋が見えてくる。後ろに行者還岳の垂直の岩場が望める小屋へは、登山口からは2時間あまりの歩行で到着だ。

 小休止の後、小屋の横から行者還岳へと進めば道端にヘリコプターへ、奥駈道の道標を下ろす位置を示す数字の書かれた銀マットと、その道標を立てるための基礎の穴があった。これはこの先、数度奥駈道で見かける。水場を左に見て急な梯子の道を進めばやがて尾根に出て、ここからは大普賢岳が目の前に見えた。その大普賢岳へ続く奥駈道と行者還岳への分岐に到着したが、行者還岳山頂へは帰途向かうことにして先に七曜岳へ進むことにする。しかしメンバーから「朝が早かったのでハラが減った」との声。昼食は七曜岳で取るとして、ここで軽く虫養いの休憩だ。

行者還岳分岐から七曜へ向かう まもなく七曜岳

 遭難碑を右に見て進めば、見事なブナの林が始まった。しかしそれもまもなく大峰らしいヤセ尾根になって、右手に形のいい和佐又山の姿が近づく。木の根っこをつかんで急登を進むと、後方にはガスがかかった大きな弥山を背景に、行者還岳のきれいな三角形の姿があった。無双洞から和佐又への分岐(ここでもヘリの目印と基礎の穴があった)を右手に見て進むと、左手にはバリゴヤノ頭から稲村ケ岳への複雑な稜線が指呼の先だ。

 鎖場をこなすと直ぐに山頂。記念撮影の後、メンバー全員が昼食を取るには少々狭いものの仕方なくここで大休止。大普賢岳方面には残念ながらガスが湧き、そのダイナミックな山容は山頂のみ隠れていても、360度の展望には大満足だ。狭い箇所での大人数に恐れをなしたか、大普賢岳方面から来たご夫婦らしき2人連れは、そそくさに「無双洞へ下ります」の言葉を残して直ぐに下りて行った。

七曜岳山頂から弥山 同じく大普賢岳

 30分の滞在で行者還岳へもどる。大きなザックを背にした単独の若者とすれ違えば、メンバーの誰かれともなく「頑張ってね」の声がかかる。ザックを分岐において空身で登った行者還岳山頂は無人だった。ここでも集合写真を撮ってすぐに、小屋を見下ろせる展望のいい南壁の上に立つ。狭いので順番だ。上から見てもやはり鉄塔に送電線は完全になくなっていた。

 メンバーが先に進むなか遅れて私のみ、水場で水を汲んでいると突然、後方から男性6人組が現れた。小屋前で休憩しながら話したところ、今朝6時半に山上ケ岳の宿坊を出てきたとのこと。私がここまでの時間を数えようと指を折っていると「足は遅いし、出発も遅かった」と謙遜されていたが、ここまで7時間半かけて縦走してきたことになる。私なら何時間かかるだろうを想像していると、サブリーダーから出発の声がかかった。

七曜からの帰途行者還岳を見る 行者還集合写真

 下山は小坪谷ルートをとることにする。数年ぶりのこのコースはほとんど記憶から消え去っている。楽しみだ。登ってきた鉄塔ルートを右に、そのまま奥駈道を進めば小坪谷への降り口がある。ここでも案内の道標を建てるよう(この先を進んで分かったこと)だが少々、小坪谷ルートは危険。安全な道に整備する方が先だと思う。

 下りでは時々ルートが分かりにくい箇所があるものの、周囲の林の景色は素晴らしい。メンバーから「エエ所やなぁ」の声が上がる。とりわけブナの巨木が素晴らしいようだ。続いてトチの巨木が現れる。足元にたくさんトチの実が落ちていたが、猿か何かが全部食べてしまったらしく殻の中身は無かった。それでもいくらかは落ちて間もないものもあり、拾ってそれを割るときれいな栗色の実が一粒入っていた。

行者還岳南壁に立って下を覗く 小坪谷は崩落していて道をロスト

 突然道が無くなり、滑りやすく掴む物のない急な斜面を進まねばならなくなった。何とかこの箇所は乗り越えたが、今度はルートが分からなくなる。先頭を行くメンバー数名が、斜面の上から下の沢まで広がって数分探したところ、やっと下の沢付近でテープを発見。しかしルートは分かったものの斜面が急で、その地点まで進むのがメンバーには怖かったようだ。ここまで、私も含めて数人がスリップ及び尻餅をついた。

 沢の左岸を進むと、やっと記憶のある場所にでる。ここは沢が合流する地点で、この先は水平な道を進めばいい。ここでは若者2人が休憩していて、最後尾を歩く私に「そのお揃いのバンダナはどこかの民族衣装ですか?」と聞く。「えーっと中国だったかな・・・・・」と私が答えかけると前から「チベットやでぇ」の声が。そうでした。チベット土産でした。そのあと二人から「素敵ですね」のお言葉を頂く。

 そんな言葉なぞ過去一度もかけられたことのない私は、上機嫌で小雨が降り出した中、下山口にあたる布引谷にかかるつり橋へ向かう。おまけに車を置いた所まで歩道歩きの途中、今度は「円ちゃん、素敵なコースに連れてきてもらってありがとう」の言葉を仲間からいただき、私には最高に嬉しい一日だった。


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