高見山脈の東端にある堀坂山は伊勢富士とも呼ばれ、白猪山・局ケ岳と共に伊勢三山の一つである。登山道は変化があって飽きることがなく、低山ではあるが市街や海岸線が近いために高度感があると共に、伊勢湾を始め曽爾・室生・高見の山々を一望の元に眺められる堀坂山は本当にいい山だった。近畿百名山にも選ばれているこの山なら期待を裏切らないと思い、今日登ってきたが大満足の山だった。
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| 東方向から見た堀坂山（左）と観音岳（右） |
雲母谷林道入り口登山口 |
高見山や三峰山へ向かう登山者が降り立つまでまだ少し時間のある、近鉄大阪線の榛原で集合した我々3人は車で東へと向かう。曽爾室生の有名な山々や、山頂付近に雪雲がある三峰山を右手に見て国道369号から368号、そして166号と進んで松阪方面へ向かえば左手に白猪山が見え、次に堀坂山と思われる山が見えてくる。今度は車は伊勢自動車道の下をくぐって西に走り、森林公園の駐車場に車を停めた。登山口は車道を少し進んだ左側に雲母谷林道になっていて、ここの入り口に小さく堀坂山登山口と表示のあるのを確認して、その舗装された林道を歩く。
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| 快適な尾根歩き |
堀坂山頂が見えた |
直ぐに獣の匂いがしてきて思わず身構えるが、右手柵の中で沢山の犬が放し飼いにされているのを見て安心する。20分ほど舗装道路を歩くと、分かりにくいが正面に登山道がある。ここから先は階段などなく良く踏まれた歩きやすい尾根道でうれしい。徐々に急登になり、苦しさで度々休まざるをえないが、振り返って見るこれから向かう優しく暖かそうな観音岳のササ尾根を見てなぜかほっとする。
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| 雌岳から松阪市街と伊勢湾を見る |
雌岳にある祠 |
10：40尾根に出て右に進めば後ろに松阪の町や伊勢湾が見える。周囲は冬枯れの木々のグレー色だけかと思えば見上げるとその枝の先には真っ青の空が広がっている。登山道横の馬酔木やアオキのグリーンの葉の色もきれいだ。このあたりで初めてメンバーから「いい山やね」の声が上がる。
548ｍポイントを過ぎてからは大きな石が点在するようになる。右手遠くに風力発電の風車がある青山高原が望めるようになり、行く手に堀坂山頂が見え始めると、堀坂山の「雌岳」山頂に到着だ。ここからは足元に伊勢自動車道が見え、松阪市街や伊勢湾を見下ろせる。大勢の団体さんが「伊勢湾入り口の神島はあれ」「答志島はあれ」と指差しながら景色を眺めている。「あれが伊良湖岬だ」までは良かったが（ニュースで名前がボツになりそうだと聞いた合併後の新市）、「南セントレア市はアソコあたりか」には苦笑せざるを得なかった。
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| 堀坂山頂から局岳・栗ノ木岳・修験業山・三峰山 |
山頂山名板 |
勢津峠とある鞍部に下りて登り返すとやっと、10名ほどが休憩中の堀坂山頂に到着する。それまでは東の展望に感動していたが、山頂からは西の展望の良さに驚く。私の乏しい知識でも、見える山は矢頭山・尼ケ岳・大洞山・光古山・学能堂・三峰山・修験業山・栗ノ木岳・局ケ岳・白猪山など枚挙に暇がないほど程だ。雪でひときは白いのが三峰山、そして北に見える鈴鹿山脈の山々も全部白い雪を戴いて輝いていた。
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| 山頂 |
山頂から観音岳と四日市方面 |
あまり海を見る機会の少ない大和人は、山頂から見える海岸や大海になかなか立ち去りがたく、40分も滞在してしまう。団体さんが経つ様子なのでしかたなくそれまでにと我々も出発する。直ぐ目の前の小ピークには大きな大日如来がお祭りしてあり、単独の女性がその下で食事中のようだった。すれ違ったアベックは堀坂峠からここまで40分かかったと言っていたが、下りはやはり早いのか我々は20分で車5台程度が駐車している堀坂峠に降り立つ。車道を横断して桧の植林の山道を登ればやがて平坦な道になり、背丈ほどの笹を右手に見ると、その奥に先ほど経ってきた堀坂山のピークが見えた。
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| 同じく白猪山を見る |
観音岳山頂 |
観音岳の山頂も展望は申し分ない。山頂には単独者がいて、ここから森林公園へ下りる道はイワカガミやヒカゲツツジの群生地があると教えてくれる。そういえばこの山頂に経つ私の足元を始め、よく見るとイワカガミの赤い葉はあちこちいたるところにあった。
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| 観音岳山頂から見た堀坂山 |
森林公園に降り立った |
堀坂山同様、岩の祠がある展望台を過ぎて雑木林を下れば、双眼鏡が備え付けられた東屋がある。ハイカーではないふつうの服装のアベックが前から来ると思ったら、まもなくキャンプ場や遊戯施設のある森林公園の中に立っていた。 |
