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稲村ケ岳
地図 ここ
地域 大峰
標高 1725.9m
山行日 2005年3月19日
天気 快晴
コースタイム 9:10母公堂---9:50法力峠---11:20稲村小屋---
12:05稲村ケ岳山頂13:00---13:35稲村小屋---15:30母公堂

一週間前に行かれた山仲間のDOPPOさん郭公さんの報告を見て自分も行きたくなり、車を洞川方面へ走らせた。今日の天気は快晴が約束されていたが、雪の状態如何では私の力量では山頂にたどり着くことが出来ないかも知れず、最悪稲村小屋まででも行ければいいとの思いもあったので、自宅を出る時間が遅くなった。
ごろごろ茶屋を過ぎると道路は凍結していたが、スリップしながらも何とか母公堂まで到着。駐車している車は7〜8台くらいか?早速準備をして出発だ。出発してまもなく稲村小屋の管理者の○井さんを追い越す。今年初めての小屋行きだとかで、今日の宿泊者はいないものの、それに備えて背負子の中はお米が入っているとのことだ。おまけに今年は特に雪が多かったとかで、小屋の周囲の除雪用だという大きなスコップもくくり付けてあった。挨拶をして追い越させていただく。私の今日の体調はなぜか良くて、いつもより体が軽い感じがし、出発後40分で法力峠を通過する。ここまで登山道は凍結していたが、この先はそれまでの鬱蒼とした樹林帯と違って自然林の中の道となり、南向きの道なので登山道に雪や氷は少ない。それでもところどころはずいぶんの雪があって2人連れ先行者はアイゼン装着中だった。
高橋横手でもこんな怖い道が
弥山も見え始め、春の日差しさすのどかな道を進む。見上げれば雲ひとつない青空があり、山頂からの大展望は約束されたようなもので、つい早足になるものの凍ったうえに雪が積もった右下がりの急斜面のトラバースは緊張を強いられる。ここで私もアイゼンを着ける。トレースはほぼ夏道通りに進んでいるようだが、怖い箇所でははやり上へ上へと進むようで、雪のない時なら手で持って進む鎖は雪に埋もれた靴の下にあった。
ここまで何度か怖い斜面のトラバースをこなしてきたが、水子地蔵を過ぎてしばらく進むと、いよいよあまりにも危険なのでまっすぐ行くことが出来なくなった。先行者のトレースもここで消えてしまっている。探せば当然のようにそれは上に進んでいて、ここからは左の尾根に出るようだった。20メートルほど木の枝をつかんで登るとなだらかな尾根に出る。右に進んでその尾根を下ってゆくとドンピシャで稲村小屋に出た。
いよいよ大日岳北斜面の道だ 通り終えて振り返ると後続者がいた
予想通り小屋は深い雪に埋もれていて、管理者が入り口のドアまで掘り起こすには相当な労力が要るだろうと思う。小屋横では登頂を果たしたのかどうか、3人の男性が食事中だ。私も食事を取ろうとしたが。この先もっと緊張を強いられる大日岳のトラバースが待っていると思うと、ともかくそれをこなし一安心してから空腹を満たしたいと思い先へ進むことにした。上から若くて体力のありそうなカップルが降りてきた。挨拶をして先へ進む。
大日岳へ向かう道も夏道ではなく、尾根道を進んだ。前方に中年カップルがいる。ゆっくり後ろから進もうとしたら「お先にどうぞ」の言葉。少し交わした会話での中の情報では、小屋で食事中だった3人組は敗退、若いカップルは登頂したそうで、そのカップルのトレースを頼りに先に進ませていただく。少々雪庇があったりするもののここまでは難なく来れた。
雪の大日岳 このやせ尾根を進むと山頂だ
そしていよいよ緊張を強いられる大日岳北斜面のトラバースは、幸いにもツルツルに凍ってはいなくて、今日は私の力でもなんとか行けそうである。過去冬季に何度か来たことがあるが、ここの雪(氷)質だけが問題だと思っていた。今日は登山道は凍っているものの、その上に多くの雪が積もり、先行者の足跡を忠実にたどれば大丈夫のようだ。
大日のキレットから先は夏道とは違って稲村ケ岳に向かって直登ルートになっていた。ここでも雪庇を踏み抜かないように注意し、アイゼンを効かせて高度稼ぐと、金属製の大きな錫杖が目の前に現れた。こんなものがこの稲村にあるのだとは今日まで知らなかった。またもや緊張する左下がりの急な雪の斜面を進むと、右上には見覚えのある格好の大日岳の展望スポットがあり、そしていよいよ鉄製の展望台のある山頂に到着だ。
稲村ケ岳山頂からのパノラマ(左端に山上ケ岳・右端に弥山)
3時間弱かけて登ってきた山頂はやはり360度の大展望が待ってくれていた。展望台の上には1メートル程の高さの雪があったが、それは真ん中だけなので周囲の鉄柵に沿って歩き、雲ひとつない快晴の空と周囲の山をゆっくり眺める。時間的にも余裕があるようなので山頂で1時間ほど滞在しただろうか?立ち去り難い気持ちを振り捨ててやっと下山する。
稲村小屋は往路では埋もれていた入り口のドアーは、今は掘り起こされていて開け放たれていた。横目に見ながら進むと中から、またもや小屋の管理人が現れ、私を冬道で先導して下さるという。ほぼ私がたどって来た往路と同じ道であったが有難かった。私に「先に降りるように」という言葉で見送ってくれるのでなぜかと思うと、登山道をふさぐ枝を切り落としてから降りるのだということだった。

まもなく春とはいえ、まだまだ雪の多い稲村ケ岳がほんのひと時、のどかな姿を見せた瞬間に登らせていただいたような山行だったが、記憶に残る体験が出来て大満足だった。

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