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御 嶽 山
標高 3067m
地域 木曽
山行日 2005年7月23日(前夜発)
天候 曇り
コースタイム 田の原5:35---王滝頂上7:33---剣ケ峰(御嶽山頂)8:10---サイノ河原9:14
---二ノ池小屋8:50---10:13摩利支天山10:40---二ノ池小屋11:40
---剣ケ峰(御嶽山頂)12:20---王滝頂上12:50---2:23田の原

 車のライトで照らし出された前方は霧で真っ白。注意してゆっくりと山道を進むとやがて終点の田の原駐車場に到着だ。ここが御嶽への(大滝口登山道)入り口ですでにたくさんの車が停車していた。そのうち何台かは中で仮眠をしているようだ。4時間あまりの長い運転の疲れを取るべく、外に出て背伸びをして御嶽山を見上げる。ご来光を見るためか登山者のヘッドライトの小さな灯りが列をなして動いていた。
田の原登山口から御嶽山を見る ミヤマアキノキリンソウ
 1時間程の仮眠の後支度を整えて出発する。山頂はあいにくガスの中のようだ。鳥居をくぐって進むと背中に「浄心」と書かれた白装束の女性が二人、我々の前を行く。自分も浄心で行こうと誓う。さっそくその気持ちを妨げるのは顔の周りを飛ぶたくさんの虫だ。道端で休憩する人はことごとく帽子やタオルで顔の周りを払っている。私も歩きながら手で虫を払う。
「もぉー、ムカつくぅ (`_´メ」
浄心どこへやら。
チングルマ 噴煙の上がるのを発見
 富士山どころか、周囲の山さえまともに見えない富士見岩付近まで来て初めて雪渓を見る。九合目の石室を過ぎたところでは、急に硫黄の臭いが鼻をつくようになる。ここが火山であることを実感すると、まもなく王滝頂上への到着だ。♪夏でも寒いヨイヨイヨイ♪の唄どおり寒くて仕方ないので、小休止の間に雨具の上だけを着る。右手に雪渓を見てハッチョウダルミを行くと一層、硫化水素の匂いが強く、直ぐ先に噴煙の出る場所があるようだった。
まもなく山頂 ヨツバシオガマ
 登山開始後2時間半程でいよいよ御嶽山頂の剣ケ峰(3067m)に到着だ。しかしそれには今日一番の辛い登りをこなさなければならない。御嶽神社(山頂)へ登る急な、そして場違いで近代的な階段だ。この登りは本当に辛かった(しかも2回も登った)。

 社務所では宮司が御札を販売しているし、神社の前では編み笠に白装束の7〜8人の女性が土下座をして一心に経を唱えていた。登山者達はその横にある三角点や山名柱の周囲で、食事をしたりや景色を眺めている。我々も参拝後はその集団の中に入り記念撮影だ。
山頂へ階段 やった〜〜〜
 二ノ池へは反時計周りのコースで下りてゆく。途中であった方に「コマクサはありましたか?」と聞くと「ああピンク色の花でしょう?それなら女人堂に付近にありました」との返事。後でMさんに「そんなとこ通るの?」と聞くと「ロープウェーで来た人と違う?」とのこと。地図で確認するとそこは随分下のほう、多分あの方はコマクサの花を知らないのだろうとの結論に落ち着く。

 二ノ池は上方からはガスで見えなかったが、二ノ池小屋まで来るときれいに澄んだ水面が直ぐそばに見られて大喜びだ。これより先は素晴らしいお花畑に感動する二人。男同士なので花の名前はイマイチ。なんとかミヤマキンバイ・イワツメグサ・コイワカガミ・ハクサンイチゲ・キバナシャクナゲ・イワギキョウまでは分かったが、その他の花になるとさっぱり分からない。
山頂にある御嶽神社 シナノオドリギ
 ガスと石仏とあいまって一種独特の、不気味な雰囲気(帰途は晴れ上がり明るくきれいな花が咲く平坦な所だった)のする賽の河原を過ぎると、賽の河原小屋の前に出る。ここで濁河温泉から登ってきたというご夫婦と出会う。我々より出発時間は少し前だったようだが、ここで出会うということは濁河温泉からのルートの方が剣ケ峰長いのだろうと判断する。

 少しの会話の後、奥様に「今日の天気は段取りの悪い結婚式のようですな」と言う私。
奥様「ええ??」と怪訝そうな顔。
私「司会(視界)が悪い ^^;」と、しょーもないギャグをかますと、奥様から思わず拍手と笑いが!! 
ええ気になって今度は「山もマージャンも大事なのは展望(点棒)でんな」と連発。
これには奥様もあきれておりました、ハイ。
山頂から二ノ池を見下ろす その二ノ池を二の池小屋から
 まっすぐ進むと五ノ池避難小屋、左へ行くと摩利支天山の分岐で、当然左へ進む。右手からは覆いかぶさってくるような岩壁が、左手は賽の河原方面へ落ちる斜面が続く間の道を進めば、やがて山名板もなにもない摩利支天山山頂だ。悲しいかな、強風はあるが展望はないという状況なので、岩陰に隠れて食事を取る。何の約束もしていなかったのに当然のごとく、私とMさんのそれぞれのザックからは500MLの発泡酒の缶が同時に出た。
賽の河原小屋から摩利支天山(左) イワベンケイ?
 摩利支て・・・・・・・もとい、無理して摩利支天山まで足を伸ばしたおかげて、復路になってようやくガスが消えだす。それまで山の全体像が分からなかったが、ここに来てやっと分かってきた。往路は見えなかった三ノ池や賽の河原の全貌もはっきりと見える。なんとラーッキーか?
賽の河原小屋から賽の河原と剣ケ峰を見る コマクサ
 それまで目を皿にしても探し当てられなかったのに偶然にもコマクサを発見。他の山に比べて数は少なかったが、少ないゆえ嬉しさも倍増だ。もどった二ノ池はガスも消え、すっかり全体が見渡せるようになっていた。参拝者は池の畔にある鳥居の横で経をとなえ、神水をペットボトルに入れていた。顔を洗おうと、池の水へ伸ばした手を私は慌てて引っ込める(もうちょっとでバチが当たるとこやった)。
摩利支天山と濁河への分岐から五ノ池小屋と濁河温泉への道 摩利支天山と濁河への分岐から見た三ノ池
 あの苦しい階段をもう一度登って山頂に立つ。あいにく北や南や中央のアルプスや富士の姿は見えなかったけれど、御嶽の全容が見えただけで大満足の二人だ。そしてまた来た道を戻る。

 今夜小屋で泊まるつもりの人達が登ってくるので、昼を過ぎても登山道は登り下りの人で時ならぬ渋滞になる。三十数人の白装束の団体さんが来たのには驚いた。先頭の一人がハンドマイクを持ち「懺悔、懺悔、六根清浄」と言えば、その後全員が声を合わせて同じように唱えながら登って来る。後方の人はしんどくてやけくそなのか、マイク顔負けの大きな怒鳴り声をあげて歩いていた。
賽の河原をバックにハクサンイチゲ クリックするとおおきくなります
 もっと驚いたのは80歳前後のお歳では?という本日最高齢だと思える人だ。後ろに若い人数人を従えているとはいえ、白装束でなんと足は裸足。数歩進んでは小休止、また数歩進んでは小休止と、遅々として進まぬが、前方に高くそびえるあの頂へ向かおうとする執念は鬼気迫るものがあった。

 聖なる信仰の山に登らせていただいて感謝の気持ちが溢れた私は、下山した鳥居の下でもう一度山頂に向かって礼をする。王滝の湯と書かれた日帰り温泉入浴できる場所で汗を流した我々は、気温12度だった山頂から、20度以上も温度差のある大和へと帰って行く。

一緒に行ったmilionさんの報告


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