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笙ノ窟尾根から和佐又へ

大普賢岳東壁

山行日 2006年1月29日
地域 大峰
標高 1505m
天候 快晴
コースタイム 和佐又バス停8:50---東屋10:25---
12:55ピーク1505m13:15---シタンの窟付近13:30
---14:00無双洞への分岐14:50---15:00ヒュッテ
 地図

 昨年秋に単独で行き、感動したコースを仲間に紹介したくて、今日は3人でもう一度向かう。昨日から奈良交通が大和上市駅発、和佐又行きの「霧氷号バス」を運行したとのことで、混雑も心配したがなんと大和上市駅は9時頃の出発とのこと。ここ和佐又口のバス停にその霧氷号が到着するのは10時頃と思われる。案の定公衆トイレ横の駐車場には、我々の車を含めて3台しか停まっていなくて他に人影はなかった。

北へ向けて尾根を登る 徐々に雪も深くなる

 今日は快晴微風とのことなので、最初から上着はザックの中だ。いきなりの階段登りはきついので、ゆっくり登れば左手に形のいい和佐又山と豪快な大普賢岳が見えてくる。尾根にでると今度は右手には大台ケ原ドライブウェーも見えはじめ、白く光るのは三津河落山のようだ。

 東屋にでたところで、途中で追い抜いていった単独者が、休憩も終わりこれから出発の様子。我々はここで偶然、小さな赤いテープを見つけた。そこでこれが笙ノ窟尾根にでる箇所の印なのでは?と勝手に決め、これより尾根に向かって登ることにする。もちろんトレースなぞ無いが、しっかりと鹿さんの足跡が寸分違わず最短でその尾根まで案内してくれる。この鹿の足跡はその後も笙ノ窟方面へ、ずーと続いていたのには驚きだった。

 11:05小さく和佐又方面を指し示した案内板を発見。ここを左に分けて見事なブナとヒメシャラの林の中を進めば、まるで3月頃の春山を思わせるような雰囲気となり、仲間からは「綺麗な森やなぁ」の声が上がる。右後方からは伯母峰トンネルへ向かう車の喧騒もあるものの、真新しい雪面に新しいトレースを付けるのはうれしいものだ。

P1326・P1505・日本岳・小普賢岳・大普賢岳 ブナ林

 二つほど小さなピークを越えると和佐又ヒュッテが左手近くに見え出す。駐車中の車の何台かのフロントガラスがピカピカ光って見えるが、ソリ遊びに興じてるであろう、子供達の歓声までは聞こえてこない。右手には以前に、この同じメンバーで行って、まだ記憶も新しい伯母谷覗の絶壁が近づく。同様に大普賢岳の東壁も迫力で迫ってくる。あんな場所に滝なぞ無いはずなのに、この時期ならではのものだろう、巨大な氷瀑が何箇所も見えた。

 時刻はもう正午になろうという頃になってやっと1326mのピークに到着だ。ますます大普賢岳の氷瀑が大きく見えてきた。しかしそれまでの快適な尾根歩きは、これより急に傾斜が増してきて、ここで初めてアイゼンを装着することにした。雪の下は凍っていてアイゼンなしでこの傾斜は危険だからだ。

 3人が横に並んで記念写真を撮るスペースもない程狭い1505mのピークでは、画像のように指呼の先に日本岳が見える。そしてその右奥には白い絶壁の大普賢岳の勇姿がある。足元にはその大普賢岳が切れ落ちた山葵谷がはるか下方にあった。目を転ずれば伯母谷覗の奇岩がすぐ近くにあり、白鬚岳を前景にして、後ろには国見岳・薊岳・桧塚・迷岳・赤倉山・池木屋山が大きく連なって見えた。

雪原に大きなヒメシャラの木 急登

 南方面では冬枯れの木々の先に尾根が伸び、その先に和佐又山が見える。そこで下山は尻セードでその南へ下ることにする。猛烈な量の雪を蹴立てて滑り落ちると、何本か大きな倒木がある。その木をまたぐとそこは吹き溜まりになっていて腰まで埋まる。Fさんはたまたま片足をその吹き溜まりに突っ込んだせいで、山の斜面ともあいまって上体が斜め下に傾いてしまう。おまけにザックの重さもあって雪から抜け出せずに悲鳴を上げる。「助けて〜〜〜〜」と。

 やっと人の足跡を見つけたらと思ったら、そこは和佐又から笙ノ窟に向かう登山道だ。大普賢岳へ向かった登山者のものなのだろう、大きなブナの木には雪山用ストックが6本まとめて立て掛けてあった。右手には冬枯れゆえ木々の向こうに国見岳・七曜岳・行者還岳が良く見える。その行者還岳の真後ろには弥山と八経ケ岳があり、その左には仏生ケ岳・七面山・孔雀岳と続く。

 和佐又山・無双洞・ヒュッテへの四差路のベンチに座って遅い昼食をとることにする。今日はNさん用意の白菜・ほうれん草・三つ葉・豚肉・シイタケ・エリンギ・お餅と具たっぷりの湯豆腐だ。Fさんからは珍しい稚鮎の甘露煮や珍味を戴く。大普賢岳から降りてきたと思われるガチャガチャを腰に下げた人は「えらく豪勢な食事ですね」の一言の後、風のように過ぎ去って行った。

1505のピークにて クリックすると大きくなります

 ヒュッテ前ではそろそろソリ遊びを終えたファミリーが帰り支度に余念が無い様子だ。そんな人達を横目に我々はアイゼンを着けたまま、車道を歩く。タイチャチェーンを着けた家族連れの車数台が我々の横を通り過ぎて行くが、そんな中一台の車がやってきた。通り過ぎる時、一人しか乗っていないのを見て取ったFさんは、小さな声ではあったが「や〜〜もったいない、一人やんか〜」と言う。そんな声が聞こえたのか、車は数メートル行き過ぎてから停車した。我々が近寄ると案の定「乗りますか?」の声が。「バス停まででいいです」と言いながらもすでに片足を車に乗せている3人だ。大阪から来られていた方、本当にありがとうございました。
 


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