転法輪岳
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下北山村池原の桜は見事なことで有名で観光客も多く、広い河原ではあちこちで宴も開かれると聞きます。そんな桜見物と以前から一度見たかった「石ヤ塔」の見学もかねて下北山村に向かいました。
池原ダムを過ぎ運動公園を左に見て池原集落に入ると信号で右折します。石ヤ塔の表示を見てまた右折すればそこは池郷林道です。地図上では十津川方面へ抜けられるようですが、そんなに簡単にはいかないはず。案の定車を停めて「石ヤ塔」を見学してから少し進んだ所で画像のようなゲートが現れました。
いくら林道歩きを覚悟してきたとはいえ、地図を見れば奥駈道までは随分ありそうです。右に釈迦ケ岳や孔雀岳の姿を見ながらトボトボと歩くと、前方に持経の宿らしい青いトタン屋根が認められ、1時間余りの車道歩きでやっと奥駈道に出ました。
右へ100m程進むと持経の宿があるというので早速見学に行きます。食器・毛布・食料・薪・水等が完備されていてトイレも快適そうです。ゴールデンウィークにもなれば奥駈道縦走の宿泊者が多く泊まることでしょう。
元に戻っていよいよ南奥駈道を南下することにします。注連縄の張られた千年桧の巨木を見るとナラ・ブナ・トガの古木・巨木が点在する素晴らしい道となりました。よく手入れされた道は広く快適です。
左下にはグリーン色に輝く池原ダムの湖水が見え、右には中八人山・南八人山の姿も近くに見えます。後方では釈迦ケ岳・孔雀岳がすっかり顔を出し振り返って眺めると、稜線には少し白いものも見えました。左手に平冶の宿が現れました。先ほどの持経の宿より少し小さいようですが、充分快適に泊まれそうです。
行く手に見覚えのある笠捨山が見えています。その右で送電線が見えますが昨年登ってまだ記憶に新しい槍ケ岳・地蔵岳の手前にあったそれのようです。転法輪岳(1281m)の姿が近づいてきました。歩き始めて2時間40分で山頂に到着しました。残念ながら山頂からの展望はありません。仕方なく5分余り先へ下るとなんとか樹林越にテレビ塔のある行仙岳や、その真後ろに笠捨山を見ることが出来ました。
まだ風が肌寒いのでしっかり着こんで温かいうどんを食べ、ゆっくり休憩したあとは引き返します。中又尾根分岐まで戻ってきた私はショートカットすべく、この尾根に入りました。ルート不明瞭とあったので慎重に進みたいのですが、あいにく1/50000地図しかありません。その地図では約250m進んだ地点から左の林道に下りるように思えるものの、(250m進んだと思われる)5分以上経過してもその分岐が見つかりません。
仕方なく急な斜面を適当に左の林道に下りて行きましたた。一番不安なのは朝、林道歩きで左に見てきた切り立った法面や急な崖に出てしまい、林道に下りられなくなるということです。あいにくザイルは持参していません。安全な箇所へ上手く回避できるよう、谷と尾根の中間地点を滑らないように慎重に下ると、幸いにも後ろ向きだと安全に林道に下り立つことが出来ました。ほんの一部ですが、落ち着いた雰囲気で素晴らしい南奥駈道を経験できたことに感謝です。 |
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