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槍ケ岳〜南岳

山行日 2005年9月17日〜18日
地域 北アルプス
標高 槍ケ岳3180m
天候 晴れ
コースタイム 「17日」
新穂高バスターミナル5:15---槍平小屋8:45---
12:20槍ヶ岳山荘15:17---15:35槍ヶ岳15:47---
16:05槍ヶ岳山荘(泊)
「18日」
槍ヶ岳山荘5:30---大喰岳6:00---6:35中岳6:45---
7:40南岳---7:45南岳小屋8:10---10:25槍平小屋10:50
---新穂高バスターミナル14:00

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← 中岳山頂からみた穂高〜槍ケ岳の大パノラマ(クリックし最大のサイズでご覧ください)

 遠出する限りは天気がよくて好展望を期待したい。そこで前夜ギリギリまで、じっくりとネットで天気図や現地の予報を見て検討する。日本海にある低気圧が気になるものの、連休中は岐阜や長野の天気はおおむね晴れとのことだ。夜10時になってから慌しく準備をして、マイカーで新穂高温泉へ向かった。

 早朝4時過ぎに到着した新穂高温泉の市営無料駐車場はあまりの車の多さに、停車する場所はおろか一旦入ったら脱出することも不可能なくらいだ。白いラインが引かれた定位置には車が満杯だったが、それ以外でなんとか1台なら邪魔にならないスペースを見つけて停車できた。この間もどんどんと車が入ってくる。もう5分、到着が遅れていたら有料駐車場に入れなければならなかった。

 空も明るくなった5時15分、金色に輝く笠ケ岳方面の稜線を眺めながら新穂高ロープウェーの乗り場の横を通り、蒲田右俣林道を進む。20分歩いたところで車道から右へ入って山道を進めば穂高平小屋のある穂高牧場に到着だ。牧場といっても遠くに黒い牛が1頭見えるだけでおよそ牧場らしくない。小屋前の石のベンチに座り、水場から汲んだ美味しい水を飲みながら朝食を取った(6:00)。

飛騨沢を登ると目の前に西鎌尾根が 常念岳と眼下に槍沢が

 サワグルミの森と名づけられたきれいな森を見ながら林道を歩けば、左に笠ケ岳山荘の小屋が見える。やがて奥穂(白出のコル)への道との分岐を見ると広い林道も終わり、石がゴロゴロしている白出沢を越えていよいよ山道に入った。地図のコースタイムだと新穂高温泉から槍平小屋まで4時間30分、そして槍平小屋から槍ケ岳までも同様に4時間30分もかかるとのこと。長丁場なので気持ちは焦る。まだ急な登りは始まらないが、のんびりと歩いてはいられないので歩きながら笠ケ岳の素晴らしい姿を見る。

 (7:50)滝谷避難小屋が現れ、滝谷の沢を横切ると右手に大きな滝が見え、その奥には北穂のドームらしき岩が望めた。黒い岩肌は、ダイナミックかつ不気味だ。水のきれいな小さな沢が道の横に見え出すと、まもなく槍平小屋に到着だ。以前泊まった小屋の印象がまったくないと思ったら、平成10年に新築されたそうで、まだ傍には以前の小屋の基礎と床は残っていた。テント場の横の水場で水をペットボトルに補充して先へ向かう(8:45)。

 この辺りは大きなダケカンバの木がきれいだ。振り返れば、赤い実をしっかり付けたナナカマドの先に長く右俣谷が伸びている。しかし秋の気配と言うにはまだまだ暑く、頭から汗が滴り落ちる。目を凝らせば前方の尾根に米粒より小さい人の姿が見え、どうやらあれが西鎌尾根のようだ。左に目を転じると鏡平山荘の赤い屋根が見え、その後ろには弓折岳へ続くS字の道が見える。笠ケ岳の山頂はあいにくガスの中のようだ(10:15)。

 白い花ではなく、実となって風にそよぐチングルマも素敵だ。まだまだ残るイワツメグサや控えめなトウヤクリンドウの花を見ながら進むと、やがて周囲はハイマツとなって森林限界を越える。途端に風が冷たくなって、むき出しの半袖の腕や手が冷える。ここで食事を取ったがフリースを着なければならず、これから先は手袋も離せなくなった(10:45)

槍ヶ岳山荘前から槍ケ岳を見る 槍ケ岳山頂から山荘を見る

 チャッ、チャッ、ジャラ、ジャラとザレた道を一歩一確実に進み高度を上げる。上から降りてきたのは単独の若い男性。私より少し早い5時頃、駐車場を出発してすでに下りてきたとか。あまりに早い行程に驚く。そういえば先ほど抜いた人からは「11時に槍ヶ岳山荘を出発すれば日帰りも可能」だと聞いた。数日前に見た同じ囲炉裏の仲間Mさんの報告にも、今日と同じコースを5時45分から19時30分までヘッドランプを点け、13時間45分かけて歩いたとあった。

 後方から湧き上がるガスの中、尾根に出たと思ったらそこが飛騨乗越(12:00)。前はドーンと谷が落ち込んでいて殺生ヒュッテのある槍沢が広がっている。その奥には形のいい常念岳が望めるではないか。ここから見る槍の穂先もダイナミックだ。左に進んで、時間が早いせいかまだ1張りしかないテント場の中を行けば、すぐに槍ヶ岳山荘に到着だ。風が強く寒いのに、まずは缶ビールを購入して持参のチーズで槍を見ながら乾杯!!(12:20)

 やはり日本海の低気圧のせいか、周囲の展望はイマイチのようで、槍の穂先も強風でガスが飛ばされたほんの一瞬の間しか見えない。ビールを飲みながら「見えたっ!」と思ってデジカメを構えると、その時はすでにもう見えなくなっている。時間も早いので穂先への登頂は後でするとして、小屋の宿泊手続きを先に済ませることにした。昨夜は寝ずに車を走らせたのでしばらく仮眠することにする。

 15時過ぎから登った槍ケ岳の山頂は、案の定展望ゼロ。証拠写真を撮っただけで直ぐに下山だ。夕食までの1時間半を持参の焼酎を飲んで過ごした。待ちに待った鶏肉やシュウマイの入った夕食は美味しくて、恥ずかしながらご飯3杯も頂く。家ではお代わりなんかしたことのないこの私なのに・・・・・・。でも苦手な「おやき」は残しました。ごめんなさい小屋の方。

山頂から今登ってきた梯子を見る 南岳の先には穂高連峰とジャンダルムが

 開けて18日もガスと強風だ。寒さにこらえて小屋前から眺めた穂先だが、登る気はしない。かといってこの状態で下山するのも腹立たしく、好天を期待して南岳経由で下りることにする。これも長丁場だが、昨日と同じような歩きが出来れば、地図に表示のコースタイムよりかなり早いタイムで行くのも可能だ。昨日は山頂がガスで隠れていた笠ケ岳は、今日は反対に山頂だけが見えて下の方が隠れている。「いっぺんに全部見せろ」と怒る私の願いが通じたのか徐々にガスが消えて行くではないか。反対方向の常念岳の左手には好天を約束するかのように大きな朝日が顔を出した。

 右手から後方にかけて、きれいに見え出した笠ケ岳・双六岳・黒部五郎岳・薬師岳・鷲羽・水晶岳などの展望を気にして歩くものだから、ついつい前方を見るのが疎かになる。でもこれからは激下りとなり、おまけに湿った石の上を歩くので充分注意が必要だ。登り返して進めば左後方に数人の登山者がいるのに気づく。「あれ?なんであんなところに登山者がいるの?」と思えば、あそこが大喰岳。なんと大喰岳山頂をパスしてしまっていた。あわてて引き返す私だ(6:00)。

 行く手に中岳が見えてきて、その先には穂高連峰そして乗鞍岳の姿も。しかしその前に、またも急な登りをこなさなければならない。二つの垂直に近い梯子を登ると、数人が風を避けて休憩中の中岳山頂に到着だ。パンをほうばっていると3人組お姉さまが到着した。周囲の山々を見てからしばらくした後で「あれって槍じゃない?」と言う。「そうだわ、あれが槍の穂先だよ」の後は「うれしい。感激」の連発。それにしても槍と気づくのに随分時間がかかったようで私も思わず苦笑した(6:40)。

 大きな石がごろごろした道を下り、蟻の戸渡りのような岩の左手を巻く。それまで冷たい風が吹いていたのに、この岩を巻く時だけは寒くない。岩陰の有難さを身をもって知る。天狗原への分岐を左に見て進むと、右下方に槍平小屋の赤い屋根が見える。この高度を下るのは手強そうだ。

 南岳小屋も真新しい建物だった。ビールを購入しようかと思ったが多分、常温のような気がしたのと売店に人の気配がなかったので諦めて大キレットの様子を見るべく、飛騨泣きの展望箇所に向かう。大きなカメラを三脚に乗せた2人のカメラマンがいたが、流れる雲が下のいい場所ではなく、上方の北穂の小屋辺りを通過するので、あまりいいのが撮れないと嘆いておられた。大キレットから長谷川ピークの方へまるで蟻のような登山者の姿が見える。ここは私の来年の宿題としよう(8:00)。

南沢へ下る途中で新穂高温泉方面を見る 穂高牧場から見た穂高山荘付近

 南岳から槍平小屋への道は激下り、そしてヤセ尾根、おまけに木製階段が続く。それまでの縦走とは違って注意が必要だ。右手に突き上げるような中岳の姿、後方にはジャンダルム・奥穂・涸沢岳・北穂の豪快なスカイラインが見えるのでそれをつい歩きながら見てしまうので危なくて仕方ない。森林限界に入っても(9:25)急な下りは続き、登りには絶対使いたくない道のようだ。前方から来る登山者もこの暑さと相まって、登りは相当堪えるのか全員バテバテの様子だ。ゴゼンタチバナの赤い実を見ながら私は、長袖の山シャツを脱いで半袖に着替えた。

 ゴツゴツした大きな石が転がった南沢に飛び出すと、槍平小屋は近い。若者数人がラーメンを注文している小屋で、私は冷たくて美味いビールを購入。「この暑さの中、ラーメンを食うと喉が渇くぞ〜〜〜」と若者に伝えたかったが、泡と共に飲み込んだ(10:30)。

 快調な歩きで穂高平(牧場)小屋まで帰ってきた。行きは気づかなかったが小屋の屋根の奥には、白出のコルを真ん中に奥穂と涸沢岳が見えているではないか。先着の人が小屋の人に注文する牛乳とトマトに心を動かされたが、私は持参の食料を減らすべく水羊羹を食す(13:20)。

 2時とあって新穂高温泉は人は少ない。無料の市営温泉を覗き、出てきた人に中の様子を聞くと「今は誰も浸かっていない」とのこと。急いで車まで着替えを取りに走り、ゆっくり入浴した後、大和へ向かう車上の人となった。


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