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常念岳・蝶ケ岳

山行日 2005年8月27日
地域 北アルプス
標高 常念岳2857m・蝶ケ岳2677m
天候 曇りのち晴れ
コースタイム 三股駐車場5:05---三股5:20---前常念岳9:35---
10:30常念岳11:30---14:10蝶ケ岳---14:20蝶ケ岳ヒュッテ15:00
---三股17:40---17:55三股駐車場

 縦走でありながらマイカーを置いた地点に戻ってくることができ、槍・穂高の大展望が楽しめる大好きなコースを、数年ぶりでまた行ってきた。以下報告です。

槍・穂高の展望(↑クリック)今回は反時計回りに歩く

 自宅を夜11時に出て、名阪・東名阪・名古屋高速・名神・中央道と走って豊科で下りる。登山口にあたる掘金村の三股へは4時に到着だ。まだ3割程度しかうまっていない駐車場の片隅に車を停めて仮眠をろうとしたが、眠れないまま夜が明けてしまった。

 車止めゲートの横を通って三股の登山口まで15分歩く。前日通過した台風の影響だろうか左を流れる沢の音がやけに大きく思った。登山口では今夜宿泊予定の蝶ケ岳ヒュッテのホームページから、ダウンロードして自宅で記入してきたきた登山届けを提出して、いよいよ出発だ。ザックには柿の葉寿司の弁当・2リットルの水・替え肌着・フリース・非常食・雨具・傘・エマージェンシーキット・500mlの酒程度しか入っていないなので、いつもの日帰りハイク用の一番小さいヤツだ。

樹林帯を抜けると前常念岳の一部が 前常念岳を過ぎて常念岳を望む

 歩き出して直ぐに、蝶ケ岳への分岐に出る。明日はここへ下りてくるつもりだが、なんと、とんでもない結果になってしまう。その結果とは・・・・・もうしばらくお付き合いください。

 右手に進むといきなりの急登が始まった。ハアハア肩で息をしながら進むが、それでも20分もすれば傾斜は楽になる。しかしここですでに顔を拭いたタオルは絞れる状態。しかもクモの巣が顔にかかるわ、前夜(朝から?)の雨で草木はぬれていてズボンの裾がボトボト。おまけにガスが立ち込めていて最悪のコンディションだ。

 55分歩いて5分休憩すると心に決めて進む。丁度2回目の休憩のとき突然、ガスが消えて青空が見えはじめ、一瞬だけだったが左手に蝶ケ岳付近の稜線が見えた。それでも進むにしたがってそのガスも徐々に消えだし、2207mのピーク付近では前常念岳へ続く岩の尾根が見えてきた。

常念岳山頂祠(後ろは穂高) 右から横通岳・東天井岳・大天井岳

 この付近ではすでにナナカマドの実が赤く色づいていて、まだこんなに暑いのに山はそろそろ秋に向けての準備をしているのを知る。足元に咲く黄色できれいなミヤマアキノキリンソウもキク科の花だとどこかで聞いた。山は夏からすでに秋に入っているのかもしれない。

 森林限界を越えて、後ろのガスの中に時折見える尖った山は蝶槍だ。早くあそこまで行きたいものだがその前に、前常念岳へ大きい岩がゴロゴロする急な登りをこなさなくてはならない。両手で大きな石をつかんで体を引き上げる。それまで無かった日差しがここに来て急に強くなった。暑い。ザックから日焼け止めを出して顔に塗る。

 石に塗られた赤いペンキを見落とさないように注意しながら進むと、まもなくケルンのある前常念岳山頂だ。直ぐ目の前には小さな登山者数名の姿も確認できる常念岳が見えた。通行止めとなっている常念小屋へのトラバース道を右に見て進めば、常念小屋から山頂に向かう道と合流する。ここからは横通岳・東天井岳・大天井岳やその登山道がはっきり見える。

常念岳から蝶ケ岳(奥)への稜線 蝶ケ岳へ向かう途中で常念岳を振り返る

 山頂から二人の親子連れが下りてきた。娘さんはお母さんに歩くのを急かされて半泣きだ。今朝は蝶ケ岳ヒュッテを5時半に出てきて、今日は大天荘まで行くのだそうだ。常念岳山頂直下のここで10時半。うーんちょっと遅いかな?頑張れ娘さん!!!!

 常念岳山頂から見た槍穂高の展望は残念ながら、あいにく山頂のみガスがあって素晴らしいとは言えない。そこで今夜宿泊予定の蝶ケ岳ヒュッテまでは、ここから3時間あまり、ガスが消えることを願ってゆっくり昼食を取った。

 常念山頂からの激下りの途中では、反対に下から登ってくる登山者と何度もすれ違う。皆さんハアハアいいながら「山頂はあそこですよね」を確認したがる。かなり辛い登りなのだろう。そういえばここは天狗の大下りを彷彿とさせるようなハードな下りだった。

蝶槍と蝶ケ岳 蝶ケ岳三角点から蝶槍と常念岳

 何気なく右手を見ていたら、それまでなかなか見えなかった槍ヶ岳の穂先がバッチリ見えているではないか。今日の夕方や明日の朝でもヒュッテから何度も見られるというのに、ついついシャッターを押してしまう。鞍部に下りると再び樹林帯に入る。花は期待していなかったが、それでもハクサンイチゲ・リンドウ・ハクサンフウロ・サラシナショウマなどが残っていて大満足だ。ところがここからまた炎天下の元に放り出される。

 トリカブトの花はこんなにもきれいな花だったのだ、と思いながら進んでいると後ろから単独者がやってきた。「単独の男が先に行きましたか?」と私に聞く。「半ズボンの男性なら随分前に行きましたよ」と答えた。なんと二人とも、私と同じ三股から(1時間遅れで)出発して、今日のうちに三股まで下りるのだそうだ。私にも「これからヒュッテまで1時間程で着くし、ヒュッテから三股まで3時間。今日中に下りれますよ」と言う。小屋泊のつもりで来た私だったが、この言葉で「やってしまうか?」という気持ちが心の中で持ち上がる。

ヒュッテ前でのんびり槍ケ岳を見る人 宿泊予定のヒュッテよ、さらば

 蝶槍では2名の登山者がのんびりと昼寝をしていた。蝶ケ岳の三角点までくると、今夜ヒュッテで宿泊する登山者だろう、ザックなしで槍穂の展望を楽しむために三々五々小屋からやってくる。ヒュッテ前でも、ベンチに座って涸沢方面を指差し、ゆっくり生ビールを飲む人たちを見て、私もこの人たちの中に入ろうと思った。しかし時刻はまだ14時40分。なんとか頑張れそうな気もする。

 ついに私は宿泊手続きをせず、小屋内の自販機で500mlの缶ビールを買って飲む。そして槍から穂高への大パノラマを、しっかりこの目に焼き付けてからいよいよ下山を決める。

 持参のお茶2リットルはすでに飲み干した。幸いに足の痛みもない。続々と下から登山者が登ってくるが、16時近くになるとさすがにいなくなった。高度を下げるにしたがって、またガスの中の道となる。あてにしていた水場は汲めるほどの水量ではなかったが、喉の渇きはなかった。それでも8割方下りたところで美味しくて豊富な水があった。三股には17時40分に到着。ヘッドランプ不要で充分下山できた。


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